

たとえば算数が好きな子供は、算数の問題を解いているときに「楽しさ」や「快さ」を感じる。扁桃体が良好な状態にあるということだ。だから、少々むずかしい問題に当たっても「やってみよう」という気持ちになる。解ければうれしくなり、ますます算数が好きになる。得意科目の勉強がつらくないのはそのためである。しかし、学校の勉強でも受験勉強でも、得意科目や好きな科目にばかり取り組んでいるわけにはいかない。どんなに優秀な生徒にも、苦手科目や嫌いな科目がある。そういう科目を勉強するときに、どうやって脳をよりよい状態にもっていくか、苦手科目をどのようにして克服するか、これが大きな問題だ。結論から言えば、ここでも「快さ」や「気持ちよさ」が大きく影響する。久恒准教授は、光トポグラフィーという装置を使って、行動と脳の状態との関係を観測する実験を行った。すると、むずかしい問題に取り組んでいて答えがなかなか出ないときには、前頭葉付近の活動レベルがどんどん上昇していくことがわかった。ところがヒントを与えられて「あ、そうか!」と思った瞬間、活動レペルが1つ下がるのである。「おそらく、その落差が快感につなかっているのではないか」と久恒准教授は言う。嫌いな科目を勉強しながら「いくらやってもわからない」という状態ばかり続くのは、精神的にたいへんな苦痛である。ぬぐいがたい挫折感がしみついてしまうこともある。しかし前頭葉が盛んに活動している最中に、ちょっとしたきっかけて答えが見つかると、その瞬間に前頭葉が満足して快感となる。
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自分の高校の定期試験に合わせ、1年に5回、1回につき1週間ずつ、定期試験の対策ができるのだ。もちろん講師に質問することも可能だし、ふだんは受講していない科目の指導を受けることもできる。こうした指導がすべて無料で、ふだん受講していない科目にまで適用されるという点は特筆に値するだろう。実際に四谷学院で学んで難関校に現役合格した生徒たちが、どのようなスケジュールで受講したかを紹介しよう。菅谷優太くんは、先に述べたように高校入学時から四谷学院に通い、高3の夏まで週6日の部活動を続けながら早稲田大学や上智大学に合格した。3年間にわたり高校生活と予備校での受験勉強を両立させるのはさぞや大変だったろうと思われるかもしれない。しかし実際には、最初から週に何度も受講していたわけではない。1年生の頃、菅谷くんが受講していたのは55段階の数学と英語のみである。受験に必須の英語と、苦手だった数学の基礎知識を固めることが目的だった。月曜日の8時30分からと水曜日の8時30分からの2コマだけだから、スケジュールのやりくりに苦労することはなかったし、体力的にも大きな負担にはならなかった。